Google Cloud CDL認定試験 合格方法のTips & 例題
はじめに
Cloud Digital Leader(以下、CDL)試験に向けた対策ブログとして活用いただければ幸いです。
具体的な試験のポイントとなりそうなリソースの解説と、Google Cloud認定試験のコツをお伝えしていきます。
もちろん、解答や問題がわかるわけではないので、全て網羅しているわけではないですが、合格に役立つブログになると思います。
このブログの使い方
試験の概要や試験範囲を既に理解している方は、左の目次から学習の仕方からお読みください。
例題ではより試験の内容に近そうな問題をピックアップし、解く際の考え方を解説しています。
CDL試験の概要
Cloud Digital Leader は、Google Cloud の中核的なプロダクトやサービスの機能と、それらが組織にもたらすメリットを明確にできます。また、Cloud Digital Leader は、一般的なビジネス ユースケースや、クラウド ソリューションが企業をどのように支えているかを説明することができます。
Cloud Digital Leaderから引用してきた文章です。
CDL試験を受けた個人的な感覚としては、クラウドの使い方の概念の理解とGoogle Cloudを広く浅く理解していることが求められている印象を受けました。
後ほど説明しますが、自動化されていない解答は選択肢から外す、Google Cloudのサービス以外の選択肢は外す、といったような内容がコツです。(あくまでも個人的なコツ)
公式に記載の範囲を図化して見ました。
Google Cloudによるデジタルトランスフォーメーションとは?
「Google Cloudのサービスを通して、企業のビジネスを変革(改善)することです」
Google Cloudでは幅広いサービスが提供されています。(VM、ストレージ、データベース、ネットワーク、機械学習、人工知能、セキュリティ機能...etc)
企業はこれらのサービスを組み合わせて、新しいビジネスモデルの構築や既存のビジネスの改善に活用したりすることでデジタルトランスフォーメーションを行うといった具合です。
ここでお伝えしたいことは、デジタルトランスフォーメーションに関わる幅広い範囲のサービスが試験に出題する可能性があるということです。
データと Google Cloudによるイノベーションとは?
「Google Cloudを通して、あらゆるデータを活用し、そこから価値を創造することです」
先ほども挙げましたが、Google Cloudの中で言うと、「データ分析、機械学習、人工知能」などのサービスがこのデータでのイノベーション領域になります。
企業はこれらのサービスを組み合わせて、データから新しい製品やサービスを開発し、ビジネスの意思決定を改善したりするといった具合です。
ここでも「データ分析、機械学習、人工知能」などの分野も出題範囲だということがわかります。
インフラストラクチャとアプリケーションのモダナイゼーションとは?
「古いシステムやプロセスを最新の技術や手法に置き換え(モダナイゼーション)、企業のインフラストラクチャとアプリケーションを最新化/改善することです」
アプリケーションの作成や管理に携わるすべてのサービスが対象となるイメージです。(VM、ストレージ、データベース、ネットワーク、セキュリティ...etc)
ここでも「サーバレス、データベース、アプリケーションに関連したセキュリティ」などの分野も出題範囲だということがわかります。
Google Cloudのセキュリティとオペレーションとは?
これは少し毛色の違う説明になるかも知れませんが、いわゆるGoogle Cloudを利用することで達成できるセキュリティを指すかと思います。
より個別具体的に書くと、Cloud Operations Suite(旧:Stackdriver)などが当たるかと思います。
ただ、VPCサービスコントロールなどのネットワークやAPIに付随したセキュリティも存在するので、セキュリティ機能のおおまかな理解は必要かもしれません。
学習の仕方
最初なので、公式の文言を使って試験範囲をおさらいしましたが、正直すべてのサービスを記憶する必要はなく、重要なサービスの表面の理解があれば試験対策的には大丈夫かな、と思います。
先に個人的なCDL試験の特徴をまとめてお伝えします。(あくまでも私が受けた印象です)
個人的なCDL試験の特徴まとめ
- CDLは問題/解答の日本語がわかりにくい(私の国語力の問題もあるかも)
- 試験内で似たような問題と回答の場合もある
- 問題文は1~3行ほどで短い文章が多い
- 問題は50問 / 90分(Azureは700点で合格→GCPはわからない)
- 抽象的な各サービスの概要がわかっていれば回答が出来る
CDLの解き方のコツ
先にも挙げましたが、クラウドの利活用とGoogle Cloudのサービスの理解がとても重要となってきます。
裏を返せば、上記2つの以外の解答は外せると言うことになります。
(例) 正解:より自動化された解答、クラウドの機能を利用した解答
(例) 不正解:手動介入された解答、クラウドではなくオンプレを利用した解答
上記から分かるように、基本的にはGoogle Cloudを利用して企業の利益や既存システム、新規サービスをいかに効率よく開発/運用していくかにかかっている解答を選ぶか、かと思います。
簡単な問題例を見てみましょう。
【問題例】
組織は運用のコストとオペレーションのコストの最適化を測りたいです。現在はオンプレミスのサーバーでコンテナを使用し、アプリケーションを運用しています。どの選択肢が最も効率よく目的を達成できますか?
【解答】 Cloud Runを使用する
本来であれば、①〜④の選択肢がありますが、今回は割愛してます。
ポイントは、クラウドのサービスである、PaasのCloud Runを選択している点です。
その他の回答で、下記の様な解答があればハズレかも知れないと疑ってください。
- オンプレミスのアーキテクチャを最新にする
- オンプレミスのアーキテクチャにサードパティのツールを適応させる
こういったオンプレの使用を継続させる回答は間違いの可能性が高くなります。
そしてPaaSサービスが何なのか?といった理解も、この後紹介する、クラウド基礎知識の理解の内容が必要になってきます。
クラウド基礎知識の理解
ここでは、クラウドとはどいう役割の上で成り立つのか?といった理解がとても重要になります。
責任分解点
IaaS,PaaS,SaaS、とそれぞれのサービスにおいて、クラウド事業者とユーザー企業の責任の違いを理解することは重要です。
簡単に責任分解点を図にしたものを添付します。
IaaS
下記3つの様なサービスがIaaSにあたります。
IaaSの特徴をVMサービスであるGCSを例にしてあげると、仮想OS以上はユーザーの責任であり、物理的なマシンやネットワークは事業者側の責任という感じです。
GCSはVMのイメージ(OS)もカスタムで使用することができ、さらにGoogle Cloudではカスタムマシンを定義できるのがかなりのポイントです。(他クラウドはイメージのみカスタム可)
PaaS
下記3つの様なサービスがPaaSにあたります。
PaaSの特徴をアプリケーションをホストするサービスであるApp Engineを例にしてあげると、コードから上はユーザーの責任であり、ミドルウェアからは事業者側の責任という感じです。
App EngineはカナリアリリースやBlue/Greenデプロイメントに対応しているというのも特徴であり、コンソールから数クリックでバージョンの切り替えができてしまいます。
この辺のそれぞれのサービス機能の理解もCDLでは大切なので、暗記しておきましょう。
SaaS
下記2つの様なサービスがSaaSにあたります。
SaaSの特徴をGoogle Workspace(GWS)を例にしてあげると、アプリケーションのデータはユーザーの責任であり、アプリケーションの機能の全ては事業者側の責任という感じです。
GWSはみなさまが馴染み深いアプリケーションもあります。GmailやGoogleスライド、Google CalenderもGWSのSaaS機能にあたります。
Gmailのメールボックスの管理や添付資料の保存などは、私たちユーザーが自由にできますよね。
逆に、Gmailの機能を他のユーザーよりも高性能にカスタムしたり、オリジナルな機能を付加したりはできませんよね。
この辺を意識すると、SaaSはIaaSやPaaSと結構違う棲み分けの概念であるというと、イメージがつきやすいかと思います。
例題
ここからは実際に試験に出そうな問題をピックアップし、なぜこういう解答を選ぶのかについて解説していきます。(問題はオリジナルです)
例題①
この例題①はGCPサービスの理解を問う問題です。
①Cloud Bigtable
②Cloud Spanner
③Cloud Firestore
④Cloud Firebase
【解答】 : ②Cloud Spanner
Cloud Spannerの機能
Cloud Spannerは、Google Cloud Platform が提供する、強力な一貫性とスケーラビリティを備えた、グローバルな分散型データベースサービスです。
ポイントとしては、Cloud Spannerの特徴を暗記していれば答えられる問題です。
どの様にCloud Spannerを使うか?という問いはなく、大まかな機能と特徴を知っているだけで答えられる問題です。
もちろん深く理解するのは、Google Cloudを扱うエンジニアでは必須ですが、CDL試験対策であれば、まずはサービスの表面上の理解をすることを優先すべきです。
例題②
この例題②はクラウドとアーキテクチャ設計の理解を問う問題です
①マイクロサービスアーキテクチャの採用を検討し、クラウドへ移行する
②現在のモノシリックなアーキテクチャを改修し、最新の他社サービスを活用する
③オンプレミス環境で再開発を検討する
④一からアプリケーションをクラウドで開発する
【解答】 : ①マイクロサービスアーキテクチャの採用を検討し、クラウドへ移行する
クラウドでのアーキテクチャ構成
モノシリックなアーキテクチャとは、単一のソフトウェアコンポーネントで構成されるシステムのこと。開発とデプロイ、メンテナンスが容易という特徴を持つが、システムの規模が大きくなるにつれて、パフォーマンスが低下し、拡張性が低下する傾向がある。
マイクロサービスアーキテクチャとは、システムを小さな単位に分割して、各単位を独立に開発・運用するアーキテクチャであり、モノリシックなアーキテクチャと比べて、拡張性、保守性、開発性に優れている。しかし、内容が複雑になる傾向があり、保守や通信コストが大きくなるメリットも存在する。
ポイントとしては、マイクロサービスアーキテクチャの理解と、クラウドへ移行する場合にはマイクロサービスを採用しやすいといったクラウドの特徴を覚えていれば、解ける問題です。
一見、④一からアプリケーションをクラウドで開発するという回答も正解に聞こえますが、これも要件によります。
既に、サービス自体が古く、ユーザー少なく、さらにクラウドへの移行をする際にサポートされていない機能が多い場合には、④の解答も正解になり得るかも知れません。
この辺りは、クラウドとオンプレミスの環境の違いから生じるアーキテクチャ選定の違いを理解するべきかと思います。
例題③
①運用的支出(opex)から、運用的支出(oepx)に代わることによる初期コスト削減
②モノシリックなアーキテクチャの採用によるアプリケーションの更新のしやすさ
③資本支出(capex)から、運用的支出(oepx)に代わることによる初期コスト削減
④クラウド移行により、物理インフラの管理は継続されるが、監視コストは減る
【解答】 : ③資本支出(capex)から、運用的支出(oepx)に代わることによる初期コスト削減
CapexとOpex
CAPEX(Capital Expenditure)とは、資本支出のことで、企業が物理的資産や長期的な投資に使うお金のことを指し、ビルや設備、ハードウェアなどの大きな購入に使われる。
OPEX(Operating Expenditure)とは、運用経費のことで、企業の日々の運営や商品の製造にかかる経費のことを指し、例えば、電気代、人件費、メンテナンス費用などのようなサーバーの維持がこれに当たる。
ポイントとしては、上記で説明した文章の様に、CapexとOpexの違いを理解していれば答えられる問題です。
一見、他の選択肢もそれっぽい様に見えますが、それぞれ言葉の意味が間違っていたり、opexとcapexの説明が逆だったりと惑わす様な解答になるので、よく問題文を理解しながら、解く必要があります。
例題④
この例題①はGCPサービスの理解を問う問題です。
①Cloud Bigtable
②BigQuery
③Cloud Spanner
④Cloud Firestore
【解答】 : ②BigQuery
BigQueryの機能
大規模なデータウェアハウスサービスです。スケーラビリティ、高速性、コストパフォーマンスを兼ね備えたペタバイト規模のデータを高速かつ簡単に保存、分析することができます。SQLを使用し分析することも可能。
ポイントとしては、BigQueryの特徴を暗記していれば答えられる問題です。
どのようにBigQueryを使うか?という問いはなく、大まかな機能と特徴を知っているだけで答えられる問題です。
BigQueryはGoogle Cloudの中でも幅広く知られているメジャーなサービスのため、問題になる確率が高い可能があります。(あくまで主観です)
例題⑤
この例題①はGCPサービス + 普遍的なデプロイメント戦略を問う問題です。
①ローリングアップデート
②ブルーグリーンデプロイメント/p>
③テスト用のサーバーを立てて10%のトラフィックを流す
④カナリアリリースを採用し、1%のユーザートラフィックを流す
【解答】 : ④カナリアリリースを採用し、1%のユーザートラフィックを流す
デプロイメント戦略の選定
ブルーグリーンデプロイメントとは、新しいバージョンのアプリケーションを新しい環境にデプロイし、ユーザーが新しい環境に切り替わるまで古い環境を継続して稼働させるデプロイメント手法です。新しい環境に問題がなければ古い環境を停止し、新しい環境に切り替えます。
ローリングアップデートとは、ユーザーがサービスを利用している最中でも、新しいバージョンのアプリケーションを徐々にデプロイしていくデプロイメント手法です。新しいバージョンに問題がなければ、徐々にユーザーを新しいバージョンに切り替えていきます。
カナリアリリースとは、新しいバージョンのアプリケーションを少数のユーザーに公開し、問題がなければ徐々にユーザー数を増やしていくデプロイメント手法です。新しいバージョンに問題がなければ、全ユーザーに新しいバージョンを公開します。
ポイントとしては、各デプロイメント戦略の特徴を理解していれば答えられる問題です。
どのようなシチュエーションで、そのデプロイメントを選択するのか。こちらの理解がとても重要です。
また、Google Cloudのサービスも理解していると解きやすいです。
この場合だとApp EngineやCloud Runというサービスであれば、このデプロイメント戦略が取れるな、などのイメージができます。(より解きやすくなる)
ほぼ必須で試験に出ると思ってもいい分野なので、しっかり暗記しておきましょう。
まとめ
今回はCDL試験の解き方と例題を挙げました。
今後需要があれば、オリジナルで作成した例題のみのブログも公開しようかな、と思いますので、一旦様子を見ようと思います。
CDL試験は日本語がわかりにくい文章が多いので、いかに問題の意図を理解し、余分な日本語を無視して解くことが案外1番重要かも知れません。
最後に
前職が元パーソナルトレーナーであったため、ダイエット情報や筋トレ情報を積極的に配信したいと思っています!!IT=脳=運動=体調管理⇒全ては繋がっています。
通勤前のコーヒーで痩せる
今回は短く。
通勤前にコーヒーを飲むと、脂肪燃焼が促進され痩せます。
これは、通勤という名の有酸素運動とカテコールアミン系による作用です。
細かいことは、一旦置き、とりあえず運動前のカフェイン摂取で痩せましょう!!!